電子ビームの解説1:電子とは




 電子と言うのは、電気回路の中を流れたり、原子核の周りを回って原子を構成したりしている粒子です。

 この電子は、目に見えないくらい小さいし重さもほとんどありませんが、電気を帯びています。
この電気の事を電荷と呼びますが、電子一個が持つ電荷の量はどの電子でも同じです。(この量の事を素電荷と呼びます。)

 電子はマイナスの電荷を持っています。従って、プラスの電荷を持った物に引っ張られます。
例えば、原子核はプラスの電荷を持っていますが、電子は原子核に吸い寄せられて、とらわれの身になってしまします。囚われたからと言っても動けなくなるわけではなくて、吸い寄せられたときに運動エネルギーを得ているので、それに対応した軌道で原子核の周りを回るようになります。これが原子です。

←He原子

 さて、この様に電子はプラスの電気に引き寄せられる性質がありますから、電子から離れたところに金属の板等を電極として置き、プラスの電圧を掛け、電子の周辺にマイナスの電圧を掛けた電極を置くと、電子はマイナスの電極周辺からプラスの電極の方へ加速されます。

 加速されると電子は運動エネルギーを持つ事になります。このエネルギーは加速している電極間に掛ける電圧(これを電位差と言います)の高さに比例します。従って、この電圧を高くすれば高くするほど電子の運動エネルギーはどんどん大きくなっていきます。

 この様に運動エネルギーの高くなった電子を物質にぶつけると、電子の運動エネルギーが無くなって、そのエネルギーが物質に吸収されます。
 吸収されたエネルギーは化学反応に使われて、物質を分解したり、逆に物質を結合する反応を引き起こしたり、熱に変わったり、光を放出したりして消費されます。

 つまり、電子を適当に加速してビーム状にして照射することで、必要なエネルギーを思い通りの場所にコントロールして与える事が出来ます。

 「なーんだ、それじゃレーザと同じじゃないか」、そんな風に思うかもしれません。しかし、電子ビームにはレーザには無い優れた特徴があります。

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