量子力学演習(白石) 1。 次の一次元空間における波動関数を規格化せよ。 1) ψ(x)= exp (- x2/(4Δ2)) 2) ψ(x)= 1/ (x2+a2)1/2 2。 一次元空間のシュレディンガー方程式を満たす波動関数ψについて, 1)
を示せ。ただしここで
,
とする。 2) ψ=Aeikxと仮定したとき,ρ及びjxを求めよ。
量子力学演習(白石) 3。とするとき,
(λは実数)を用いて任意のf(x),g(x)について
が成立すること(Schwartzの不等式)を証明せよ。 ただし
,
,
とする。 4。 一次元空間で,ポテンシャルのないとき,質量mの粒子を考える。 1) 次の関数はシュレディンガー方程式を満たすことを示せ。
ただし,C(k)は「よい性質を持つ」任意の関数。 2) C(k)をψ(x,0)を使って表せ。 3)
のとき,(A,Δ,k0は定数) ψ(x,t)を求めよ。 4) ψ(x,t)を用いて (1) xの期待値
及び
を求めよ。 (2) 運動量の期待値
及び
を求めよ。 (3) ρ及びjxを求めよ。
量子力学演習(白石) 5。 一次元のポテンシャル中の質量mの粒子の波動関数及びエネルギースペクトルを求めよ。 6。 質量mの粒子が一次元ポテンシャル
の中にいるとき 1) 束縛状態のエネルギーは(エネルギー E<0)次の関係を満たす ことを示せ。(波動関数ψ) tan ja=γ/j ただし ψ(-x)=ψ(x) のとき cot ja=-γ/j ただし ψ(-x)=-ψ(x) のとき ここで
,
とする。 2)Wとaがどんな値の時でも,少なくともひとつは束縛状態が存在 することを示せ。 3)W→∞かつa→0の極限で,2Waは有限の値bだとすると,どうなるか。
量子力学演習(白石) 7。 以下に示すポテンシャルがあり,質量mの粒子がエネルギーE(>W>0)を持っている状態を考え る。波動関数として次の形を仮定する。
このとき 1) |R|2,|T|2を求めよ。反射率,透過率を定義せよ。 2) 流束の保存について確かめよ。 8。 質量m,エネルギーE(0<E<W)の粒子の流れが以下のようなポテン シャル障壁にぶつかるとする。
1) このとき波動関数として
とすると,|R|2,|T|2及び流束の保存はどうなっているか調べよ。 2) W→∞かつa→0の極限で,Waは有限の値bだとすると, 透過率,反射率はどう書けるか。
量子力学演習(白石) 9。 一次元の調和振動子のハミルトニアンは次のように書ける。(m,ωは定数。) 次の2つの演算子を定義する。
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1) 次の関係を示せ。
,
,[a,a+]=1 2) [H,a+],[H,a]を求めよ。 3) au0=0を満たすu0を求めよ。u0はHの固有関数になっ ているか? 4) u0とa+を任意の個数用いて,Hの固有関数を作ることができる。 その固有値と波動関数の規格化を求めよ。 5) Hの各固有状態についてx,x2,p,p2の期待値を求めよ。 6) Hの各固有状態について,運動エネルギーとポテンシャルエネル ギーの期待値を求めよ。 7) ハミルトニアンに,一様な電場との相互作用項
がつけ加えられたとき,エネルギー固有値のスペクトルはどうなる か。
量子力学演習(白石) 10。 質量mの粒子が一次元ポテンシャルの中で運動している。ただし,V0>0,a>0,b>0とする。 1) 固有エネルギーE(<V0)の波動関数が偶関数の時は
が成立することを示せ。ただし,
,
とする。 2) 同様に,波動関数が奇関数の時はどのような関数式が存在するか。 3) V0の値を増加させ,その値が無限大となる極限で, 基底状態(Eが最小の固有状態)のエネルギー固有値は どのような値に近づくか。また第一励起エネルギーはどうなるか。 4) V0が有限でbが十分小さいときの基底状態のエネルギーを求めよ。
量子力学演習(白石) 11。 1次元の周期的井戸型ポテンシャルV(x)の中を運動する 質量mの粒子の固有状態を求める。ただしV(x)はここでnは任意の整数とする。 (これをKronig-Pennyのポテンシャルという。) 1) このような場合,固有波動関数は次の形に書ける (Blochの定理)。 ψ(x)=eiσxu(x),u(x+a+b)=u(x) ここでσは実数とする。これを用いて,エネルギー固有値を 定める式を求め,エネルギー値のスペクトルがバンド構造を 持つことを示せ。 2) |V0|→∞,b→0の極限でかつ|V0|b=g(>0)が有限のとき, エネルギースペクトルはどうなるか。V0が正,負,の場合に 考察せよ。 3) 2)の場合で,V0が負のとき,さらに
,E<0 としたとき,Eをσの関数E(σ)とみて,グラフ上に 図示せよ。E(π/(2a))の値はいくらか? 4) 同様に,2)の場合で,V0が負のときを考える。
のときにE(σ)のグラフをかけ。 参考文献:阿部寛 Mathematicaでみる数理物理入門II 講談社サイエンティフィク p. 47 安田了・藤村行俊 Macintosh理系のスーパー技法 アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン発行星雲社 p. 213