08/31 12:02 朝: ◇強制連行の張さん、国などを提訴 被爆被害の補償求める

朝日新聞ニュース速報

太平洋戦争中、中国から日本に強制連行され、広島で被爆した中国・湖南省長沙市に住む張文彬さん(78)が、国と強制労働をさせた企業を相手取り、2500万円の損害賠償と新聞への謝罪広告の掲載を求める訴えを31日、新潟地裁に起こした。代理人の弁護士によると、中国人の被爆被害が日本の法廷で争われるのは今回が初めてという。

訴状などによると、張さんは1944年、河北省から日本軍に連行され、新潟市内の運送会社で港の荷物の積み下ろしなどの強制労働に従事させられたという。その後、破壊活動を企てたとしてスパイ容疑で逮捕、広島刑務所に投獄され、服役中に被爆した。93年に市民団体の招きで来日した際、中国人としては初めて被爆者健康手帳を取得した。

張さんは、国の政策で強制連行され、過酷な労働や被爆で肉体的、精神的な被害を受け、その後も原爆症に苦しみ続けていることに対して謝罪と補償を求めるとしている。

中国人の強制連行をめぐっては、「中国人戦争被害賠償請求弁護団」が代理人になって、すでに東京、京都、長野、広島の四地裁に補償を求めて提訴している。

[1999-08-31-12:02]