02/23 20:46 朝: ◇関釜裁判・広島控訴審始まる、原告二人が意見陳述◇
朝日新聞ニュース速報
第二次大戦中、従軍慰安婦や女子勤労挺身(ていしん)隊員にされた韓国人女性十人が国に総額五億六千四百万円の損害賠償と公式謝罪を求めた「関釜裁判」控訴審の第一回口頭弁論が二十三日、広島高裁(川波利明裁判長)であった。韓国から駆けつけた原告二人は意見陳述で「恨みを残したままでは、安らかに死ねない」と司法の場での速やかな救済を訴えた。
一審の山口地裁下関支部は昨年四月、被害回復のための立法を怠った国会の対応を違法と断じて、元従軍慰安婦三人に慰謝料三十万円ずつの支払いを命じた。
国側は書面で「一審判決は最高裁の判例に反しており、国会が立法行為に対して持つ裁量を無視している」などとして、請求の棄却を求めた。
これに対して原告側は、勤労挺身隊員への賠償を認めなかった一審判決について「親に逆らってまで入隊した勤労挺身隊員は、期待を裏切られ、親に捨てられる以上の心の傷が残っている。救済の必要性は慰安婦と比べて勝るとも劣らない」と主張した。
意見陳述で、元勤労挺身隊員のパク・ソドクさん(六七)は「勉強できると思い日本にやってきたが、自由は全くなくアリのように働いた。韓国に帰ったときには、あまりにひどい様子に親にこじきと間違えられ、友人にも会うに会えず、五十年間会わなかった」などと涙を見せて話した。
元従軍慰安婦のパク・トゥリさん(七六)は「あまり過去を思い出したくない」と自分の経験は口にしなかったが「日本は悪いことをしたとは感じていないのではないか。生きている内に幸せな気持ちにして欲しい」などと訴えた。
法廷には、一審で原告らを支えてきた福岡など九州の支援グループのほか、一審判決後広島県内で発足した二つの関釜裁判を支える会の会員ら約五十人がつめかけた。
[1999-02-23-20:46]