毎日新聞ニュース速報
韓国に帰国したことを理由に、大阪府が被爆者援護法に基づく健康管理手当の支給を 打ち切ったのは、援護法の解釈を誤った違法な処分だとして、韓国人被爆者の郭貴勲( カクキフン)さん(74)が1日、大阪府と国を相手取り、打ち切り処分の取り消しと 約200万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。厚生省によると、在外被爆者に 同法の適用を求める訴訟は初めてという。
訴状によると、郭さんは広島市で被爆し、終戦直後に帰国した。今年5月に日本で治 療を受けるために来日。大阪府から被爆者健康手帳を交付され、健康管理手当(月額約 3万4000円)の支給が認められた。7月に帰国するまで2カ月分は支給されたが、 府は居住地を国外に移した被爆者には支給しないとした1974年の厚生省通達を根拠 に支給を打ち切った。
郭さんは「国外居住者には支給しないという規定は援護法にはなく、通達は在外被爆 者への差別だ」と話している。
[1998-10-01-11:33]
10/01 10:23 共: 援護法手当打ち切りで提訴 韓国人被爆者の男性
共同通信ニュース速報
韓国に帰国したことを理由に、大阪府が被爆者援護法に基づく健 康管理手当の支給を打ち切ったのは違法だとして、韓国人被爆者の 郭貴勲さん(74)が一日、府と国に対し、打ち切り処分の取り消 しや二百万円の国家賠償などを求める訴訟を大阪地裁に起こした。
厚生省によると、援護法の在外被爆者への適用をめぐる訴訟は初 めて。
訴えによると、郭さんは一九四四年九月、朝鮮人徴兵令で旧陸軍 に徴兵され、広島市の部隊に配属。四五年八月六日、同市内で被爆 した。
郭さんは戦後、韓国に帰国し、ソウル市郊外に居住している。今 年五月、変形性脊椎(せきつい)症による腰痛などの治療のため来 日。大阪府から被爆者援護法上の被爆者健康手帳を交付され、無料 で診療を受ける資格を得て同府松原市内の病院に入院した。
府は六月十八日付で、郭さんに月額約三万四千円の健康管理手当 を五年間支給すると決定。六月、七月分は支給されたが、郭さんが 七月五日に帰国したため八月分から支給が打ち切られた。
郭さんが府に説明を求めると、府側は「旧原爆特別措置法が在外 被爆者に適用されないとした七四年の厚生省通達は、援護法成立後 も有効」との趣旨の回答をした。
訴えで、郭さん側は「援護法では健康管理手当の受給資格を失う のは期間満了と疾病が治った場合だけ。外国在住を理由に資格を失 う規定はない」と主張。「打ち切りは平等を定めた憲法などにも違 反。差別的扱いで精神的苦痛を受けた」としている。
在外被爆者の健康管理手当打ち切りを不服とした行政への審査請 求は、これまで広島と長崎で起こされたが、いずれも却下されてい る。
[1998-10-01-10:23]