【おまけ 1】太陽光発電をもっと知りたい方の為に・・・。

太陽光発電所「ひむか2号」くん近況報告 (原価試算もあり)

トラストの呼び掛けに応じて宮崎市月見が丘の外山さんと国富町の井野さんのお宅にも国の補助金を利用した発電所ができています。それぞれ、少し無理をして4キロをえるシステムをつけ自宅で使う以上の電気をおこし皆さんの所へ電気を送っています。

   日向の国、宮崎県国富町の井野さんの屋根のうえの太陽光発電所「ひむか2号」くん(4.98キロワットシステム、京セラ製)は、去年、2月17日の発電開始から今年2月17日で丸1年がたち、総発電量は5470キロワットでした。本当は、5500キロ時を超えるはずだったのですが・・・・。ある問題が起こったからでした。(井野さんはこれを書いているNGーNDの配偶者です)
 

そのある問題とは・・・・(参考太陽光発電ひむか2号くんのデータ
 

実は、1月の終わり頃、突然、瞬間発電量がどんなに天気の良い日でも1.4キロワット以上発電しなくなったのです。(普段、天気の良い時は、3.4キロワット位は出てる!)「おかしいな〜〜。太陽光発電は手間いらず、壊れることも無いという話しだったのに」と言う事で、設置工事をした業者の方に問い合わせました。で、調べて貰ったところ、電力会社から送られてくる電気に問題のあありました。普通、電力会社から送られてくる電気は、100ボルト、60ヘルツ(日本の東半分は50ヘルツです)なのですが、なんと、110ボルトもあったのです。「ひむか2号」君のような系統連係発電のできる太陽光発電のインバーターは、普通、電力会社の側からの要請で107ボルトまでは、それに合わせた電圧で自家消費して余った電気は自動的に送り返すのですが、107ボルトを超えてしまったのでと、「何か、変だぞ」って家のインバーターは自分で出力調整運転に入ってしまったのです。ですから、本来、電力会社が約束どうり100ボルトの電圧で電気を供給してれば、問題は起きなかったのです。とほほ
 

この件については、電力会社の供給義務規定違反?ということで弁償されましたが、なんか、おかしいのは、電気が起こせなかった私の方は、損をせずに済んだ訳ですが、 直す迄の2ヶ月間「ひむか2号」くんは、貴重な太陽のめぐみを電気に変えることが出来ず、電力会社から払われたお金は他の方が払ったお金なのです。本来、電気を起こして、その分払って貰えばよいわけですから、貰ってはならないお金のような気もします。
 

さて、どうして、110ボルトの電気が送られて来たのでしょうか?
 

実は、普段、何気なく使っている電気は、101ボルト、プラス、マイナス、5ボルトの範囲に入っているのです。(これなら、一応正常)ところが、電気は、末端の家庭などで一遍に大量に使ったりすると、その周辺で電圧低下を起こして、下手をすると停電になってしまったりするのです。で、電力会社のほうでは、そんなことが起きないように、調整をしているわけです。この調整は、トランスのクリックを上げたり、下げたり、大きい容量のものに変えたり、いろいろ大変らしいです。さらに、最近は、家庭でエアコンをつけるので、それに対応するため、調整をして歩いているらしいのです。で、たまたま、「ひむか2号」君のところは、インバーターの表示装置が付いていたため、こんなことが起きているのが分かったのです。
 

あら、110ボルトのままだと問題があるの?
 

同じだけ電気製品をつかっていると、使用電気量が増えます。つまり、余分に電気代を払うことになります。さらに、白熱球なんかは早く切れてしまいますし、物によっては、この電圧に耐えられずに壊れたり、中には火を噴く可能性のあるものもあるそうです。これから、各家庭でエアコンを付けるようになると、もっと、この調整作業は大変になるそうです。
 

へ〜、困ったもんだ。
 

ただ、解決法はあるには、あるんです。それぞれの家庭で使う電気を平順化すれば問題は起きません。大量に一遍に使わなければ良い訳です。その為に、各家庭に太陽光発電の設備が設置されれば、この問題もある程度解決するでしょう。なんたって、太陽光発電というのは、お日様ががんがん照って暑いときに電気をしっかりつくってくれますからね。うちは、エアコン使ってませんから、近所のエアコンの為に電気作っているようなものです。でも、近所の人は、別に有難がっていません。こんなことすら知りませんから・・・・。

経済性は、どんなものでしょうか?(みんな、此の事しかきかない)

今の所、当家の場合、35年かかります。(5500kW時発電して、23円/kW時だとすると、年間収入は12万5600円プラス消費税。これを私が出した450万円プラス消費税分463万5000円は36年かけて、やっと、戻ってくることになります。もし、この465万5000円を金利3パーセントで誰かに貸し付けると、私のこのお金は倍以上になって戻ってくるでしょうから、私は500万円位損をしたことになるのです。ま、金利の事は考えなくても、もし、このシステムが36年もたなければ私は大損をすることになります。今、考えると阿保臭いな〜!)

試算すると、大体の原価は1キロワット時が85円位でしょう。2年目の方や、今年の補助金で付けられる方は、20年程で、ペイするでしょう。ま、「今年あたりは、補助金を貰えば、損はしないですよ」という価格です。ただ、借金してまでは出来ないでしょうね。でも、電気料金が高くなれば私の所は早くペイします。皆さんは困るかもしれませんが・・・。

ただ、今の電気料金は環境コスト(二酸化炭素排出による環境負荷解決のコスト)が含まれてませんから、安すぎるとここで指摘しておきましょう。別に、遅く付けても電気に困るわけではないので、普通に考えれば、みんな、自分で太陽光発電を付けるのは、待つでしょう。で、マーケットが大きくならないので、安くなる速度は遅くなる。(所謂、鶏が先か、卵が先か?の問題です)パソコンとかビデオの機械とかは、それを買わなければ、その機械で得られる効用が手に入りませんが、太陽光発電では、普通の電気しか供給できませんから、(原発の電気でも、太陽光発電の電気でも、コンセントから出てくるのは同じ100ヴォルトの交流電気ですからね。)常識で考えれば「安くなるまで待ってよー」となる訳です。

なんか、不公平ですよね。

1年目の人が付けなければ、いくら、メーカーが努力をしたところで、2年目の人の価格は出なかったのですから、大変、大変、も一つ大変、不公平です。私の知っている人で、2年目に補助金を貰った人がいるんですが、補欠で、繰り上がったとたんに文句を言わなくなった人がいます。かなり、環境問題とか、いろいろ、活動をされている方ですが、こんな所で人間性が出てくるんだなと感心しました。(はっきり言って私はその人と口をきくのも嫌です!結構、ボランティア活動をされて有名な人だったりするんだな〜 これが 。)

で、この不公平を何とかしようと、ドイツでは早く付けた人の電気は高く買う制度があります。去年4月からアーヘンという町で始まりました。今ではドイツ国内の数ヵ所でやっているようです。(一般的にはアーヘンモデルといわれてます)系統連係で社会的には負荷平順化に貢献している訳ですし、その分化石燃料の消費を減らしているのですから、正当に評価されるべきだとは思うのですがね・・・。ま、ボランティアですね。それも、評価されない。(上記の試算からすると500万円も社会に寄付した奇特な人ってことになりますね。これは、もう、救いようのない馬鹿としか言いようがないな。)

何か、ほかに方法はあるんじゃないの?

今、電気料金に含まれている税金を使う手があります。一橋大学の商学部の栗原史郎先生が提案されています。ちょっと、長くなるけど紹介しておきます。

「太陽光発電に絞ってアーヘンモデルを日本に適用するとした場合を試算してみよう。現在の家庭用太陽光発電の1キロワット時辺りの赤字額は60円だから、年間2920キロワット時、577件(これは、国の初年度補助金をうけ設置された件数)で1億円。一方、年間の電気事業の総電力需要は70480億キロワット時(92年度)平均単価は約20円/キロワット時。電気料金の1パーセントの値上げで、年間約1400億円の財源となる。この財源で一戸辺りの年間の赤字を賄えば現在の1400倍、すなわち約80万戸をカバーできる。もっともこの場合は補助金額も現在の1400倍、約2.5兆円と莫大で非現実的な数字になってしまう。そこで補助金を廃止した場合にこの財源で何戸分の赤字をカバーできるか考えてみる。この場合、赤字額は145円/kwhだから96600万kwhの買い上げが可能になる。これは約33万戸、100万キロワットに相当する。すなわち、電気料金を一律に1パーセント引き上げれば、補助金を全廃しても、電力会社は現在の割高な太陽光発電のコスト170円kwhで100万kw相当(原子力発電所のような既存の大規模発電所1基分)の太陽光発電システムの発生する電力を自前の資金を投入する事無く購入出来ることになる。

電力会社が1パーセントの値上げを行なうかわりに、税金をかけて設置者に赤字額を税収から補填するという方法もありうる。我が国ではすでに1kwhあたり44.5銭(電気料金の約2パーセントに相当)の電源開発促進税(1974年の創設時は8.5銭であった)がかけられており税収は3068億円(92年度)となっている。この税収は電源の多様化(上記補助金もこれを財源としている)や電源立地の促進に(原発立地交付金等の財源)使われている。ここに新に再生可能エネルギー普及促進勘定を創設し、税率を20銭/kwhだけ値上げすれば上記の1400億円の財源ができる。これによって設置者は自ら発電した電気を1kwh辺り25円で電力会社に売り、145円を政府から補填してもらい、結果として発電原価に等しい170円で売ることが出来るわけである。

このようなシステムによってイノベーターの経済的負担をほとんど取り除くことができるとともに、はやい段階でのかなりの規模(政府の新エネルギー導入大綱による2000年の政府目標40万kwの2.5倍相当)の初期需要が見込まれ、経済曲線効果による太陽光発電システム価格の低下も期待できることになる。アーヘンと同じ1パーセントの効果は大きい。

(以上、昨年12月東京で行われた新エネルギー産業シンポジウムから)

ちょっと、長くなりましたが、これで、日本でも、十分に出来ることがお分かりいただけたと思います。さらに、このアーヘンモデルの凄いところは、電力会社に売った電気を高く買い上げるだけでなく、発電した電気全部に対してその金額で買うというものです。つまり、その設置者も同じ消費者と考えて、純粋に発電した電気は社会的に貢献したと評価する所が凄いですね。


ここから、エネルギーペイバックタイムの話にしましょう。

エネルギーペイバックタイム?なんですかそれ・・・。

エネルギーペイバックタイムと言うのは、投入したエネルギーがそこから取り出せるのに何年かかるかということです。5年ほど前(もう少し前かも知れません、パワー社から出ている太陽光発電の本のデータです)に試算された計算では、単結晶太陽電池で18年、多結晶で、12年、アモルファスで2〜3年とあったと思います。最近あるメーカーの人に聞いたところ(このメーカーは多結晶太陽電池を作っています)今では、トータルのシステムでペイバックタイムは6年ぐらいだろうと話していました。壊れるまでに何年かかるか。勿論、投入したエネルギーを取り返すまでに壊れてしまうのなら無駄と言うものですが、20年から30年はシステムとして持つと言うことです。

じゃ、十分もとはとれますね。

ええ、エネルギー収支から見るなら十分です。さらに、一般にこのシステムを付けた家庭は平均して20パーセント消費量が減ります。で、これを付けることで、人々がエネルギーの大切さを知り、節約するようになるだけで、随分、世の中の在り方も変わってくるのではないかと思います。

                     1996/07/21 4:20AM 


僕は、私は関係ないよと思って生活していても、確かにそれぞれの家庭の、会社の、電気のコンセントは放射能をつくる原子力発電所に、二酸化炭素を大量に出す大きな火力発電所にもつながっているのです。(残念なことにこれは、誰も否定できない事実です。)勿論、そのコンセントは、串間市の「ひむか1号」くんにも、国富町の「ひむか2号」くんにも、そのほか多くの人が馬鹿じゃないかと思うような大金を先払いしてくれた全国500軒以上の人たちの、2年目の人のもあわせると1500軒以上の環境を汚さない再生可能エネルギ−発電=太陽光発電所(2年目の人の電気の原価は、40円位?)にもつながっているのです。いわば、その他の人は、はそういう人たちの発電所の電気を安く買い叩いて暮らしているのです。(って栗原先生は言ってました)

「ひむか2号」くんは1ヵ月400キロワット/hほど売電しており、おまけに井野さんの所ではエアコンも使ってませんから、ほとんど、電気を湯水のごとく使って平気でいる人たち、使い捨てが当たり前と思っている人たちの為に電気を作ってるようなものです。でも、これって、本当は、みんなの問題なのですよ。とりあえず、これを読まれた皆さんは自分が使っている電気の量をお調べになって節約に心がけられる事を心からお願い致したいと思います。地球温暖化対策にも貢献できるし、電気代の節約にもなる!

           


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