名前の長い法律。 98/02/16

読売新聞の2月11日の朝刊に、「なんと78字。長〜い法律名、閣僚懇で批判」という見出しの記事がある。これは10日の閣議後の閣僚懇談会で、閣議決定した「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」案(38字)という法案に対しての、農相のコメントである。さらにこの記事には、来週(つまり今週)閣議に諮る「原材料の供給事業及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律」案(78字)に対しての閣僚のコメントも載っていた。『「全般にもっと短くすべき」との認識で一致した。』との言葉でこの記事は締めくくられている。

確かに、日本の法律には長い名前を持つものが多い。六法をちょっと開いて見ると、例えば、一般には「男女雇用機会均等法」と言われている法律も、実はその正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」(42字)という名前であることが分かるし、その他、一般には短縮された通称が使われているような法律や条約でも、その正式名称はかなり長い、というものもある。

「名は体を表す」と言う言葉があるが、法律においては、通称はともかく、正式名称としては、その法律の内容を正確に表したものにすべきだ、という考えは、もっともなものであると思う。しかし、そのことによって、かえって一般に分かり難く複雑な名称になっているというのは、それは考えなければならないだろう。ただですら法律の文言には分かり難いとの批判があるのであるから、せめて名前からでも、分かり易いものにしていくべきである。

この、「名前は内容を正確に表しておくべきである」という要請と、「法律は分かり易くあるべきである」という要請とは、逆の方向にあるものなので、両立は難しいように思える。どちらを優先すべきというのも、一概には言えないことだろう。結局は、その調整点をどこにするかという、両者のバランスの問題である。現在の法律の名前も、その両者のバランス調整の上で作られているものであろう。

しかし、流石に、正式名称が78字にもなる法律に対して思うのは、その調整は間違っているのではないか、ということである。ただ単に、短くしろ、という無理は言わないが、せめてそのバランスについては、もう少し考えられてしかるべきではないか、と思う。

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