Laser Specs




Nd:YAG LASER
レーザー媒体ネオジウムをドープした、イットリウム・アルミニウムのガーネット構造結晶
 Nd3+:Y3Al5O12

・A3B'2B''O12の単位格子が八個含まれる立方晶系単位格子を持つガーネット構造(和名:ザクロ石)は、24個の酸素で囲まれた十二面体の8配位のAイオン、16個の酸素で囲まれた四面体4配位のB'イオン、24個の八面体6配位のB''イオンで満たされている。YAGの場合、AサイトにY(イットリウム)イオンが、B'、B''サイトにAlイオンが入っている。この結晶にNdイオンをドープすると、AのサイトにいるYイオンと置換し、Ndが十二面体の8配位の位置に入ることになる。このサイトは特に、電子的に遮蔽されたサイトで、レーザー遷移を阻害するNdイオン同士でのself-quenchingを抑制して、蛍光寿命を長くすることにより効率の良いレーザー発光を得ている。
発振波長基本波:1064nm SHG:532nm THG:355nm FHG:266nm
励起方法Xeフラッシュランプ、LD、アークランプなどによる
発振方法Pulse:Q-Switchによるジャイアントパルス化。パルス幅40ns以下。500mJ/pulse以下。(10Hz)
CW:アークランプ、LDによる。600W以下。
特長高普及率、メンテナンス良、高出力かつ、小型化可能

DIODE LASER
レーザー媒体半導体素子:直接遷移型V-X属化合物半導体を主に基板として用い(W-W、U-Y属もあり)、活性層(発光部)に混晶を用いる。バンド構造における反転分布を利用した、ホモ接合、ダブルヘテロ接合、単一量子井戸(SQW:Single Quantum Well)構造、多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造において、劈開面を共振器として発信する。発光面に対して垂直方向に共振器を作りこんで広範囲から発光させる物もあり、これを面発光レーザと呼ぶ。
発振波長AlGaAs:650nm〜905nm
InGaAsP:1000nm〜1700nm
など
素子温度の変化により中心波長が変化する。ヒステリシスあり。
励起方法直流電流数十mA
発振方法Pulse、CW:注入電流のモジュレーションにより、Pulse、CW自在。単体で数W、複合体で最高30W
特長小型、低消費電力、高量産性、高効率

He-Ne LASER
レーザー媒体He/Neガス:励起したHe原子が、衝突によるエネルギー移動で今度はNe原子を励起して、励起準位間の誘導放出で発振する四準位レーザー
発振波長632.8nm(611.9,594.1,543.3nm)
励起方法10mA直流グロー放電
発振方法CW:最高50W
特長低出力、高コヒーレンス、安価、寿命一万時間以上

ArF EXCIMER LASER
レーザー媒体He/Ar/F2ガス:励起したAr原子がF2分子と反応してArFエキシマを生成する。下準位の基底状態は必然的に前期解離を起こすので、反転分布が生成しやすい
発振波長193nm 半値幅0.4pm
励起方法電子ビーム励起もあるが、ほとんどが気体放電を用いる。放電の印加電圧は20kVにも達し、サイラトロンを使ってH.V.スイッチングを行う
発振方法Pulse:650mJ/pulse パルス幅10〜20ns
特長高出力、低コヒーレンス。パルス当たりのエネルギーの安定化と高繰り返し周波数を実現する事で、0.08μm程度の半導体リソグラフィ用ステッパーに利用が進む。更に液浸技術の投入でF2レーザ領域を凌駕しようとしている。この背景には従来の光学系システムの延命という目的がある。

KrF EXCIMER LASER
レーザー媒体He/Kr/F2ガス:励起したKr原子がF2分子と反応してKrFエキシマを生成する。下準位の基底状態は必然的に前期解離を起こすので、反転分布が生成しやすい
発振波長248nm 半値幅0.3nm
励起方法電子ビーム励起もあるが、ほとんどが気体放電を用いる。放電の印加電圧は20kVにも達し、サイラトロンを使ってH.V.スイッチングを行う
発振方法Pulse:1200mJ/pulse パルス幅10〜20ns
特長高出力、低コヒーレンス。パルス当たりのエネルギーの安定化と高繰り返し周波数を実現する事で、0.13μm程度の半導体リソグラフィ用ステッパーに実用化され久しい。ArFエキシマレーザの実用化によって低価格化が進み、i線領域や、プリント基板露光、液晶露光領域へと応用範囲を広げようとしている。

XeF EXCIMER LASER
レーザー媒体He/Xe/F2ガス:励起したXe原子がF2分子と反応してXeFエキシマを生成する。下準位の基底状態は必然的に前期解離を起こすので、反転分布が生成しやすい
発振波長351nm 半値幅0.3nm
励起方法電子ビーム励起もあるが、ほとんどが気体放電を用いる。放電の印加電圧は20kVにも達し、サイラトロンを使ってH.V.スイッチングを行う
発振方法Pulse:400mJ/pulse パルス幅10〜20ns
特長高出力、低コヒーレンス。Xeガスが高価

CO2 LASER
レーザー媒体CO2ガス:基底準位内において振動準位間を利用してレーザー発振を行う
発振波長10.6mm
励起方法放電励起
発振方法Pulse:1kW程度
CW:数十kW
特長高出力、高効率40%以上

Ar+ LASER
レーザー媒体Arガス:励起されたAr原子はイオン化しイオンの基底状態となる。その状態で更に励起され高励起したイオン状態と、基底イオン状態の間で反転分布が発生する。
発振波長主に、488.5, 514.5nm
ArU(一価イオン)457.9, 476.5, 488.0, 496.5, 501.7, 514.5nm
ArV(二価イオン)351.1, 363.8nm
励起方法50Aの高電流密度のアーク放電を用いる
発振方法CW:20mW〜4W
特長紫外域でCW

Kr+ LASER
レーザー媒体Krガス:励起されたKr原子はイオン化し、イオンの基底状態となる。その状態で更に励起され高励起したイオン状態と、基底イオン状態の間で反転分布が発生する。
発振波長主に、647.1nm
KrU(一価イオン)476.2, 482.5, 520.8, 530.9, 568.2, 647.1, 676.4, 752.5nm
KrV(二価イオン)350.7, 356.4nm
励起方法50Aの高電流密度のアーク放電を用いる
発振方法CW:10mW〜1W
特長赤色の出力が比較的高い。Arイオンレーザに比べて低効率。ディスプレイ用

Dye LASER
レーザー媒体色素溶液:レーザー光により励起された色素は蛍光を発する。色素分子はレーザー遷移に関する準位がバンド構造を持つために広い波長領域でレーザー発振が行われ、これをオシレータ内に設置されたモノクロメータで分光し、必要な波長だけを増幅する
発振波長330〜1300nm
必要な波長に対して、適切な色素を用いる。一つの色素で有効な波長範囲は20nm程度
励起方法一般的にYAG、エキシマレーザ。連続発振では、Ar、Krイオンレーザ。パルス発振ではルビー、窒素、フラッシュランプ、銅蒸気レーザが用いられることも。
発振方法CW:1W(Ar、Krイオンレーザ励起)
Pulse:20MW(Nd:YAGレーザ励起)
特長連続波長可変、短パルス可

He-Cd LASER
レーザー媒体He+Cd混合蒸気:一般的な金属蒸気レーザで、低圧のHe雰囲気中で金属を加熱して、その蒸気をペニング励起してCdイオンの反転分布を得る。陽光柱型とホロカソード型が有る。
発振波長陽光柱型:325.0nm(2D2/32P01/2)、441.6nm(2D5/22P03/2)(488.2nm、502.6nm)
ホロカソード型:325.0, 441.6, 533.7, 537.8, 635.5, 636.0, 723.7, 728.4, 806.7, 853.1, 865.2, 887.8nm
励起方法基本的に低圧放電。陽光柱型では、電流値の高い異常グロー領域で、電位傾度の低い陽光柱領域での発光を利用する。ホロカソード型では電流値は低めで正常グロー領域に近い放電の陰極暗部(負グロー部)近傍での発光を利用する。
発振方法CW:100mW
特長陽光柱型はラマン分光、CD、LDの原盤作成レジスト露光に利用される他、ホログラフィック回折格子の干渉縞の作成、光造形の光源に利用されている。
ホロカソード型は、同軸線上に同時に光の三原色を発振できるという最大の特徴が生かされ、レーザホログラフィやカラーレーザ顕微鏡等に使われている。 ディスプレイ光源としても非常に色再現領域が大きい。

Ti:SAPPHIRE LASER
レーザー媒体Tiをドープしたサファイヤ結晶
Tiイオンの励起準位の内、レーザ下準位のフォノン帯(振動バンド)を利用して連続的な波長を発振している
発振波長波長可変、結晶の温度上昇により、長波長側にシフト
660〜986nm(結晶の特性によって多少変わる)
非線形結晶で二倍波等を取り出せば、非常に幅広い範囲で波長可変となる。
励起方法Arイオンレーザ、Nd:YAG(二倍波)
上準位の寿命が短いので、基本的にはCW励起が有利
発振方法CW:100〜5000mW
パルス:数mJ
※ポンプレーザに大きく依存する
特長代表的な固体波長可変レーザとしてあまりに有名。OPOに利用される。
また、フェムト秒レーザとしての利用も非常に盛ん。GHzの高繰り返しも可能
他にも、時間分解分光法、非線形顕微法等、用途は多数


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