一般の自己相互作用と2+1次元ボゾンスター


山口大理 坂本憲児 白石 清



ネ目次ヌ

1. Introduction

2. BS解を求める

3. (2+1)次元BSの物理量

4. 粒子数 vs 束縛エネルギー

5. まとめ


日本物理学会2000年春の分科会(近畿大学)200042

 

§. Introduction

Boson Stars
(review: Jetzer, Phys.Rep.220(92)163;
Liddle&Madsen, Int.J.Mod.Phys.D1(92)101)
は最もシンプルな自己重力系の例
銀河付近のダークマターの可能性,重力レンズ効果などが
調べられている。



最近,SchunckTorresは,
U(1)対称性のある一般のポテンシャルをもつスカラーのモデルにおいて,ボゾンスターの性質を調べた。(gr-qc/9911038)

[自己相互作用が効く(未知の)粒子は,最近,
ダークマターの候補としても議論されている。]


(2+1)次元ボゾンスター

JHEP 07, 015 (1998) gr-qc/9804067

Phys. Rev. D58, 124017 (1998) gr-qc/9806040

・自己重力系として,次元の異なる場合の
 類似点と相違点を明らかにする。
・負の宇宙項の値に対する依存性は?
・回転している場合の解析が容易。
(3+1)次元でのひも状の構造
 (nontopological string)への応用


今回は,一般のポテンシャルの場合に回転のない定常なボゾンスター解を考察する。
ポテンシャルの形の影響を見るため,自己相互作用の大きい極限について考える。



Action:
1.jpg

ポテンシャルはglobal U(1) 対称性を持つ。
59.jpg

60.jpgは次を満たす。

61.jpg
62.jpg

Field equations:

63.jpg
64.jpg


C>0は負の宇宙項を表す。


§2. BS解を求める

回転なし,軸対称性を仮定

metric:
279.jpg

scalar field:
280.jpg

変数の置き換えJetzerさんのやり方と同様)

第一段階:
323.jpg

第二段階:
324.jpg

Einstein方程式およびscalar場の運動方程式より
325.jpg
326.jpg
339.jpg
332.jpg

ここで自己相互作用常数が非常に大きいとする。
すなわち328.jpgで近似すると
Jetzerさん,Ryanさん,Colpi,Shapiro&Wasserman
329.jpg (1)
330.jpg (2)
331.jpg (3)
333.jpg (4)
(1)より
292.jpg ・・・ボゾンスターの外部 (5)
または
334.jpg ・・・ボゾンスターの内部 (6)

(3),(4)より
291.jpg (7)

294.jpgを新しい295.jpgの関数に置き換えることにより,296.jpgは任意の関数とすることができる(“ゲージ自由度”)。
ここでは次のように固定する。

297.jpg (8)

すると(7)は解けて
298.jpg  (9)

ここで,tのスケールを変える自由度を用いた。


(3),(5),(6),(9)より
335.jpg (10)
(5),(6)より300.jpg301.jpgの関数なので(10)はすぐに積分できる。

積分定数は,原点での302.jpgの値337.jpgに集約される。

以下,336.jpgを用いると便利。

また,原点でconical singularityのないことを要請している。

ボゾンスターの外部ではBTZ
(Banados,Teitelboim&Zanelli, PRL69(92)1849)

306.jpg

ここで338.jpg


§3. (2+1)次元BSの物理量

parameter 347.jpg

BTZ mass: Mo
348.jpg


Particle Number: N
349.jpg

341.jpgとする。

・質量も粒子数も小さいとき
340.jpg

・質量と粒子数はともに342.jpgで極大となる。
343.jpgは次を満たす。
346.jpg

§4. 粒子数 vs 束縛エネルギー
束縛エネルギー 350.jpg
513.jpg (φ4 potential)
310.jpg
515.jpg (Cosh-Gordon)
514.jpg
517.jpg (U(1)-Liouville)
516.jpg
304.jpg
303.jpg
307.jpg
305.jpg
309.jpg (SUSY-inspired)
308.jpg

ポテンシャルの312.jpgの係数が0でなければ,
311.jpg
と規格化できる。このとき,
粒子数vs束縛エネルギーのグラフは,
ポテンシャルの形(高次の項)にあまりよらない。


ポテンシャルによらないこと

グラフの端点は,(GmN, GEb)=(0, 0), (0, 0.125)

粒子数(あるいは質量)が最大のときに
束縛エネルギーが負ならば,GmN0.125



ポテンシャルの317.jpgの係数が0のとき

314.jpg
313.jpg
316.jpg
315.jpg

無次元化した結合定数がO(1)ならば,
粒子数vs束縛エネルギーのグラフは,
ポテンシャルの次数にもあまりよらない。

319.jpgのとき

352.jpg
C*が臨界値
351.jpg
=2.5268 ...
を越えると,あらゆる場合に束縛エネルギーは正になる。


320.jpgのとき,C*の臨界値は
a に依存する。しかし,穏やかな変化である。

318.jpg
(パラメータ空間において,)
粒子数最大で束縛エネルギーが0となる曲線

§5
ネまとめヌ

●BSの物理量,とくに宇宙項のおおきさと束縛エネルギーの関係などは,相互作用ポテンシャルの形にあまりよらない。
SchunckTorres(3+1)次元におけるBSの場合と同様)

●今回は自己相互作用が斥力として効いている場合。

●自己相互作用が引力として効く領域がある場合
モ微分項は無視できない。「小さな」BS?